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2021年初めの方から芸術活動家のイタイミナコの家に住んでいた。私達は以前より互いの大事なものを共有し合える関係性であり、今日も今日とてチキン南蛮や辛のラーメン鍋などの定番メニューを机の真ん中にドドンと置き美味い美味いと食い自分の近況や今考えていることを話してあーでもないこーでもないと言っている。私達は自分を取り巻く環境に敏感であった。私は常に私を社会的な「私」として形作ろうとしてくる暴力的なものに憤っていたし、イタイは人と人がどう繋がって関係を紡いでいるのかに興味があった。私の2021年の人間関係が怒涛なものだったのもあって私達のおしゃべり(ダナ・ハラウェイで言うところのあやとり)は加速傾向にあった。これをみんなに自慢したい気持ちもあった。
ある日、イタイに、平石さんが「コロナでオープニングパーティがないから作家さんに会えない」と言っていたと話すと、「平石さん会いたくね?」と言い出した。そもそもイタイはパーティが好きだ。ちなみに平石さんとは、広島市横川にあったギャラリー「横川創苑」のマネージャーを務めていた広島の芸術界隈に欠かせん人だ。じゃあ平石さん呼ぶために展示やるか〜〜〜となったので、その時の私たちにできる等身大の展示として私達の住まいにて同居展の開催と相なった。


 

Since the beginning of 2021, I lived in the house of Itaiminako, an artist. We have always been able to share what was important to each other, and today, we are eating chicken nanban, spicy ramen nabe, and other standard dishes, which are placed in the middle of the table, and talking about what we are doing and what we are thinking about. We were sensitive to our surroundings. I resented the violent things that constantly tried to shape me as a social "me," and Itay was interested in how people connected with each other and spun relationships. Our chatter (or as Dana Haraway would say, "cat's cradle") tended to accelerate, partly because my 2021 relationship was a raging one. I was also inclined to brag to everyone about this.

One day, I told Itay that Hiraishi-san had told me that he would not be able to meet the artist because there would be no opening party at Corona, and he said, "Don't you miss Hiraishi-san?" He said. Itai likes parties to begin with. Incidentally, Mr. Hiraishi was the manager of Yokogawa Soen, a gallery in Yokogawa, Hiroshima, and an indispensable figure in the art world of Hiroshima. We decided to hold an exhibition in order to invite Mr. Hiraishi, so we decided to hold a cohabitation exhibition at our residence as a life-size exhibition that we could do at that time.

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青原作のDM4種、テンション上がって作った。全部送ってはない。

以下、平石さんがSNSに載せてくれたレポートである。

 

【同居展のこと】

コロナ禍に於いて地味に問題なのが作家達にあまり会えなくなったことで、それはオープニングパーティが無いからだ!とギャラリーGでぼやきあった事があった。

オープニングパーティしたい。は、翻ってみんなどうしているのだろうか、でもある。

先日2人の作家から同時にメールが来た。

纏めると内容は以下の通りである。

・最近オープニングパーティやってない。

・そういえば平石さんと会ってない、喋りたい

・というわけで2人の同居展をやりますのでうちにご飯食べに来てください

という展覧会と夕食の招待状であった。

なんだその好待遇は。

企画として可愛すぎか。

展示なくても行くけど、家に展示があるのは俄然面白そう。

というわけで基町アパート、板井 三那子と青原 恒沙子の暮らす家に「同居展」を観に行ってきた。以下時々敬称略します。

待ち合わせ場所のスーパーマルナカで大量に買ったお酒をもって待っていると、一見ギャルみたいな青原さんが現れた。

一瞬、わからなかったのでワーと言ってる横を古川諒子嬢がお疲れ様ですーと通っていくのでまたワーと言う。

彼女もまた基町で暮らす作家で、偶然買い物帰りだったようだ。

案内された●階の部屋にあがるとキッチンが視界に入り、イタイちゃんが鳥南蛮を揚げるいい匂いがした。

ランプがかわいいね、と言うとジモティで三原まで取りに行って手に入れたという。

その様子のポラロイドと付箋が貼ってあるので、どうやらこれも展示の一部みたいだ。

彼女の今のブームは「ジモティで遠距離のものを購入し、それを車で取りに行った先でおすすめの場所などの情報を聞いたり、時として案内もしてもらう」事だそうで、また新しい接触方法でフィールドワークしていた。

コミュニケーション方法が自然で強か。

どうぞ、と案内されたのはイタイミナコの部屋ではあるが展示のメイン会場でもある。

イタイ・青原それぞれやその友人の写真が多数貼られていたり、手書きのzine、メモのようなもの、LINEやTwitterのキャプチャー、服、付箋、プリクラ、などが配してあった。1番目を引くのは部屋の隅の高さ2センチくらいのところに、A4サイズでマクロスFのヒロイン2人のイラストが貼られており、その前には布団に入った人物2人の粘土作品があった。思わず「お供え?」と聞いた。

一通り眺めている間には奥の部屋からずっとモーニング娘。が聞こえてくる。

程なくして、買ったお酒、おつまみに加えて、青原作コールスロー、イタイ作鳥南蛮が机に並び、オープニングパーティが開始となった。

聞けばこうである。

マクロスとお布団の作品は、2人が就寝前に壁にマクロスを投影して布団に入って眺めている光景(この部屋の出来事)の再現。

出てくる料理は、たとえば鳥南蛮は青原が体調不良の時に作る、とかコールスローはイタイに褒められた、とか2人の関係性の間に立つ料理。

zineにはその内容や、日々の2人のやりとりが綴られており、タイプの違うそれぞれが共存する良い「落とし所」のようなポイントが書かれていた。

奥で流れていたモーニング娘。は青原の部屋で映像がループし続けているインスタレーション?なのだが、それは彼女が落ち込んでいた際の生きる糧となっていたもの。悩み落ち込み、相談したイタイの部屋を出たあとモーニング娘。を聴き続けたことで生きる希望を手に入れている様子をイタイは隣室から感じて2人それぞれLINEをしていた(同じ家にいるにも関わらず)やりとりが貼られていたりする。

 

2人はギャルを目指したいという。

トイレに「ギャルはこなすんよ」と書かれた貼り紙は、そのマインドを賞賛する言葉であり、どんな出来事も「ウケる」と受け止めて物怖じせずフレンドリーに"こなす"様子に憧れているという。

チビT着てたのはそれだったのかwww

それと、台所の円卓の話が印象的で、共用部分である台所に円卓を置くことにより、お互いのプライベートルームに入る事なく、話したい時にそこに座り、ずっとお喋りをするという。それがさらに2人の関係に良い効果を出していて、この日の終盤にイタイは「人と付き合うってこうやれば上手くいくんだな、というのを学んでいる感じ」というようなことを言っていた。

先程スーパーで会った古川諒子嬢にも来てもらい、一緒に展示を見た。

この展示の目撃者は2人だけだ。

芳名帳も2人の名前が並んだ

にも関わらずDMも4パターン作っていたし、よく見て欲しい、このDMの日時を。

「平石さんが仕事終わり〜帰りたくなるまで」

いやいや、最高か?

コロナ禍における親密さ、或いはその良好な関係性の作り方の実験と検証レポート、のような。

それに呼んでもらえた事も嬉しいし、ひたすら美味しいものめっちゃ食べさせてもらった。

最後は盛り盛りのギャル写真を撮ってもらった。

最高の展示だった。

お礼にもならないですが、二日酔いの頭で長めにレポートを書いてみました。

後で直すかもしれないし直さないかもしれないです。

むしろこれ自慢でした。

次回展の際はインタビュー記事にしようと思います。(平石もも)

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(掲載写真は平石さん撮影のものも含んでいます。)

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