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2021年8月北広島町滞在制作.jpg

2021年初めの方から数ヶ月友人宅に住んでいた。市営住宅の、詳しくは言えないがそこそこ高い階にいる。町の比較的中心地の、土から遥か遠い場所にいるとざわざわと心が落ち着かない。人間以外がいないような気分になってくる。(ずぼらなのでよくコバエがゴミ箱に湧いたりするが。)もちろんどのような場所にいても私の中に数えきれない程の微生物がいるし、顔に寄生虫が突き刺さっているし、色んな生き物の耕し醸す土と農家が育てた野菜もしくは動物の肉を食べて生きているのは変わりない。しかし広島市の中心部で社会的なカテゴリーばかり浮き上がってくる生活をしているとどんどん逃げ場を失うような感覚に苛まれるので、広島北部の北広島町に1カ月住んでみることにした。ここは山に囲まれた場所だ。アーティスト・イン・レジデンス・プログラムでもない、私が管理人のおじちゃんがおもしろいなという理由で決めた、地域のお試し住宅制度を利用した滞在制作だ。
人間例外主義ではない「多種の絡まり」の実践だ。

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住んで1週間は家の至る所でザワザワと気配がして眠れなかった。大きめの虫がどこかにぶつかる音、木のきしみ、小動物の歩く音、鳥や虫の声。毎日廊下にパラパラと虫の死骸が落ちている。大きな家に1人だったけど、思ったよりもずっと賑やかで、なんだか怖くなって震えたりしていた。
​というわけで、ごくわずかな人に送った展示情報のタイトルはこのような感じ。遠かったし、かなりギリギリに送ったので広島市内からは3組だけ来てくれた。私の作品を見ていろんな話をしたり、一緒に畑を見に行ったり顕微鏡で遊んだり、猪肉を食べたりと皆楽しそうで何よりだった。
​あと地域の人たちは呼んだら全員来てくれた。

猪の解体も見せてもらった。田畑を荒らされたくない農家と猪の攻防戦は色々あるらしい。
とある家の犬は四足歩行の動物には噛み付くよう躾けられたらしい。ヒトとて四つん這いになれば同じだ。

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